いのちの食べかた
2008-01-29


2008/01/28(月) 【渋谷:シアター・イメージフォーラム】

この映画にはセリフもストーリーもない。
ただ淡々と食料が生産される過程を映している。

私たちが日常的に食べている動植物がどのように生産されているか、多くの人は知らないと思う。
私は少しだけ『食』に近い立ち位置にいるので、にわか知識は持っているが、映像で見る経験はさほどない。

一例として、映画で紹介される牛肉が食卓に並ぶまでのフローはこうだ。
子牛はシステマチックに繁殖され、生命誕生の瞬間に感動はない。
牛の成長過程はオートメーション管理され、扱っているのは生き物だが、行っていることは工場で部品を組立てているのと変わりない。
大きくなった牛は、運命の日を向かえる。
身動きの取れないゲージの中で頭を打ち抜かれるのだ。
死を察した牛が、逃げ場のない環境で必死の抵抗をする。屠殺に関わる人から聞かされたことのあるシーンだ。
牛は即死。すぐさま次ぎの工程に流れていく。
脚を吊るされ、巨大なナイフで腹を裂かれる。
前足も巨大なハサミで切断。
内臓がかきだされ、皮を剥がれる。
股間から頭まで大型ノコギリで真っ二つ。アジの開きならぬ、牛の開き状態だ。

これらのフローを経て、牛は食卓に並ぶ。

牛や豚、鶏や魚には不本意だろうが、このような工程を経て私たちに生命のリレーを託しているのだ。
これは残酷でもなんでもなく、人間の食事のプロセスの現実である。
これを否定することはできない。

オフィシャルサイトで、一部の映像が視聴できます。

  ↓    ↓

[URL]


食料問題は日本の深刻な問題のひとつでもある。
メディアを騒がせているような社会保険庁の記録がいい加減ないことや、大阪の財政が救いようのないほどメタメタなことや、朝青龍が仮病を使ったことや、水道光熱費がナントカ還元水なことは食料問題からすれば些細なこと。

国民には実感がないようだが、日本の食料事情は信じがたい状況になっている。
島国なのに自国で食料がまかなえないのだ。
つまり外国に食べさせてもらっている。
それなのに大量の食材を廃棄しているのだ。世界で最も食料廃棄しているのは日本。
これではバチが当っても仕方ない。

自己評価金額:\8,400-
[映 画 ]

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